パデルのルール完全ガイド
公式の競技規則にもとづいて、試合で出会う場面ごとにまとめました。
壁に当たったボールは打っていいの?
サーブは上から打っちゃだめ?
体験や試合の前に、こんな疑問で手が止まっていませんか。
パデルのルールは、テニスとほぼ同じ点の数え方に、「壁」と「下から打つサーブ」が加わったものです。
最初に覚えるのは5つだけで、あとは試合をしながら自然に身につきます。
このページでは、国際パデル連盟(FIP)の競技規則を一次資料に、日本の大会で使われる日本パデル協会(JPA)の大会規則もあわせて、ルールを全部まとめました。
迷った場面だけ拾い読みしても分かるように、場面ごとに分けています。
まず覚える5つのルール
体験レッスンや初めての試合なら、この5つで十分に楽しめます。
それぞれ、詳しい記事も用意しています。
| ルール | ひと言で | 詳しく |
|---|---|---|
| 人数 | 2人対2人のダブルス | 2人でもできる? |
| サーブ | 自分の足元でワンバウンドさせて、腰の高さより下で打つ | サーブの基本ルール |
| 返球 | 相手のボールは自分のコートで1回まで弾ませてよい | ワンバウンド・ノーバウンド |
| 壁 | 1回弾んだあとなら、壁や金網に当たっても打ち返せる | 壁を使えるタイミング |
| 得点 | 15・30・40・ゲーム。テニスと同じ | 得点の数え方 |
この5つをやさしく図で確かめたい人は、パデルの基本ルール|初心者が最初に覚えたい5つから読むのがおすすめです。
コートと道具の決まり
コートやボール、ラケットの大きさも、競技規則で細かく決まっています。
道具を買うときに関わるのは、ラケットの大きさとストラップです。
| もの | 競技規則の決まり |
|---|---|
| コート | 内側で横10m×縦20mの長方形 |
| ネット | 長さ10m、高さは中央0.88m・両端0.92m |
| サービスライン | ネットから6.95mの位置に引く |
| 後ろの壁 | 高さ3mの壁(ガラスなど)の上に、1mの金網。合わせて4m |
| 横の壁 | ネット寄りは金網、後ろ寄りは壁。形は2通りが認められている |
| ボール | ゴム製で、直径6.35〜6.77cm・重さ56.0〜59.4g |
| ラケット | 長さ45.5cm以内・幅26cm以内・厚さ38mm以内。面には直径9〜13mmの穴 |
| ストラップ | グリップに付いたひもを手首に通すのが義務(長さ35cm以内) |
ボールは、パデル用として売られているものを使えば迷いません。
ラケットの形や重さの選び方は、ラケットの形・重さ・バランスの違いとパデルラケットの選び方にまとめています。
試合の始め方と時間の決まり
コイントスで決める
勝ったペアは「サーブかレシーブ」か「コートの側」を選びます。相手に先に選ばせることもできます。
打ち合いは3分
試合の前に、相手と軽く打ち合う時間が3分あります。
コートを替えるとき
1・3・5ゲーム目のように、奇数ゲームが終わるたびにコートを入れ替えます。
大会では、時間の決まりもあります。
ポイントとポイントの間は20秒、コートを替えるときは90秒、セットが終わったら120秒までです。
体験会や仲間内の試合ではここまで厳しく測りませんが、ポイントの間に長く休まないのが基本のマナーです。
得点の数え方と3つの方式
1ゲームは、0(ラブ)→15→30→40→ゲームと進みます。
6ゲームを先に取り、しかも2ゲーム差がついたらセットです。
6対6で並んだら、7点先取(2点差)のタイブレークで決めます。
試合は3セットのうち2セットを取ったほうの勝ちです。
40対40(デュース)になったときの決め方は、競技規則で3通りが認められています。
どれを使うかは大会ごとに決まるので、申し込む前に大会要項を見ておくと安心です。
| 方式 | デュースのあと | ポイント |
|---|---|---|
| アドバンテージ | 2点続けて取ったペアがゲーム | テニスと同じ。長いゲームになることがある |
| スターポイント | アドバンテージを2回まで行い、3回目のデュースで1点勝負 | 新しく加わった方式。長くなりすぎない |
| ゴールデンポイント | デュースになったら、すぐ1点勝負 | 受ける側が右・左どちらで受けるか選べる |
1点勝負のときは、レシーブする側が右と左のどちらで受けるかを選び、その1点のあいだは位置を入れ替えられません。
競技規則では、4ゲーム先取の「ミニセット」や、最終セットの代わりに行う10点先取の「スーパータイブレーク」も認められています。
数え方を声に出して練習したい人は、パデルの得点の数え方を見てください。
サーブのルール
パデルのサーブは、テニスのように上から打ちません。
自分の足元で1回弾ませて、腰の高さより下で打つのが決まりです。
| 決まり | 中身 |
|---|---|
| 立つ位置 | 片足をサービスラインの後ろに置き、センターラインと横の壁のあいだに立つ。ラインは踏まない |
| 弾ませる場所 | 自分がサーブする側のエリアの中で、ボールを1回弾ませる |
| 打つ高さ | 腰の高さか、それより下。日本の大会規則では「自分の腰骨の高さまで」 |
| 足 | 打つ瞬間、少なくとも片足が地面に着いていること |
| 入れる場所 | 対角線の先にある相手のサービスボックスに入れる。ラインに乗ればイン |
| 回数 | 1ポイントにつき2回まで。2回続けて失敗すると失点 |
フォルト(失敗)になるサーブ
- 相手のサービスボックスの外に落ちた
- 空振りした
- ボールが自分やペアの体・持ち物に当たった
- ボックスに入ったあと、2回目に弾む前に金網に当たった
- 場外プレーができないコートで、入ったあと出入り口から外へ出た
打ち直し(ネット・レット)になるサーブ
ネットやポストに触れてから相手のボックスに入ったサーブは、打ち直しです。
ただし、そのあと2回目に弾む前に金網に当たったらフォルトになります。
相手が構えていないうちに打ったサーブも打ち直しです。
サーブを受ける側は、ボックスで1回弾ませてから打ち返します。
弾む前に体やラケットに当たったら、サーブした側の得点です。
打ち方のコツまで知りたい人は、パデルのサーブ基本ルールへ。
ラリー中の返球と壁・金網
パデルでいちばん迷うのが、壁と金網の扱いです。
覚え方は1つだけで、「自分のコートで弾んだあとなら、壁も金網もプレーの一部」です。
| 場面 | どうなる |
|---|---|
| 相手のボールが自分のコートで1回弾み、後ろや横の壁に当たった | 打ち返せる(2回目に弾む前まで) |
| 相手のボールが自分のコートで1回弾み、金網に当たった | 打ち返せる(2回目に弾む前まで) |
| 相手のボールを弾む前に打つ(ボレー) | サーブ以外なら打ち返せる |
| 自分のコートの壁に当てて、相手コートへ返す | 返球として認められる |
| 自分の打ったボールが、相手コートで弾む前に相手側の壁・金網に当たった | 失点 |
| 自分の打ったボールがネットに触れて、相手コートに入った | そのままプレー続行 |
| 相手コートの床と壁の角(すみ)に落ちた | 正しい返球 |
「相手コートで先に弾ませる」が守れていれば、あとの壁はどちらのコートでも味方です。
床・壁・金網のどこに当たったらイン・アウトかはイン・アウト判定で、壁を使える場面は壁を使えるタイミングで図にしています。
失点になる場面・得点になる場面
2回弾んだ
打ち返す前に、自分のコートでボールが2回弾んだら失点です。
ネットに触れた
ボールが動いているあいだに、体やラケットがネットやポストに触れたら失点です。
2回触った
1人が2回続けて触ったり、ペアの2人が続けて触ったりしたら失点です。
ほかにも、次のときは失点になります。
- 相手のボールが、ラケット以外の体や服に当たった
- 打ったボールが、自分やペアの体に当たった
- ネットを越えてくる前のボールを打った
- ラケットを投げて打った
- プレー中にネットを飛び越えた
- ストラップが切れた、またはラケットを落とした
- 場外プレーができないコートで、打つときに足がコートの外に出ていた
反対に、相手コートで弾んだボールが金網の穴から外へ出たり、穴に挟まったりしたときと、壁の上の平らな部分に乗って止まったときは、打った側の得点です。
コートの外に出て打てる?(場外プレー)
ボールが出入り口から外へ飛び出しても、コートの外に安全なスペースがある施設なら、外に出て打ち返せます。
これを場外プレーといいます。
競技規則では、出入り口の外に横3m以上・奥行き4m以上の何もないスペースがあることが条件です。
安全なスペースがないコートでは、外に出たボールはその時点で決まり、場外プレーはできません。
通うコートがどちらなのかは、最初に施設で聞いておくと安心です。
全国パデルコートガイドでも、施設カードの説明に場外プレーへの対応を書いている施設があります。
試合のマナー
競技規則には、プレーのしかただけでなく、マナーの決まりもあります。
どれも、気持ちよく試合をするための当たり前のことです。
- 決められた時間に遅れずにコートへ入る
- 怒ってボールをコートの外や相手に向けて打たない
- ラケットで壁・ネット・床を叩かない
- 相手や審判に失礼な言葉や身ぶりをしない
- 最後まで全力でプレーする
ルールを全部覚えていなくても、分からない場面ではプレーを止めて、4人で確かめれば大丈夫です。
初めての日の緊張が気になる人は、初めてコートに立つときの準備も読んでみてください。
テニスとのルールの違い
| テニス | パデル | |
|---|---|---|
| サーブ | 上から打てる | ワンバウンドさせて腰より下 |
| 壁 | ない | 壁・金網もプレーの一部 |
| 人数 | シングルスもダブルスも | 2対2が基本 |
| コート | 約24m×11m(ダブルス) | 20m×10mで、まわりを囲まれている |
| ラケット | ガットを張る | 穴のあいた板状。ストラップを手首に通す |
| 点の数え方 | 15・30・40・ゲーム | 同じ。デュースのあとの決め方が3通り |
テニス経験者がつまずきやすい点は、テニスとパデルのルールの違いで6項目に分けて比べています。
よくある質問
シングルス(1対1)はできる?
競技規則は2対2が前提です。
ただ、シングルス用の細いコートを置いている施設もあり、2人だけでもラリー練習はできます。
2人で始める方法はパデルは2人でもできる?にまとめました。
試合中にラケットを替えてもいい?
割れても、ストラップが切れていなくて危なくなければ、そのまま使い続けられます。
別のラケットに替えるのは、ゲームが終わってからです。
審判がいない試合で、判定がもめたら?
体験会や仲間内の試合は、ふつう審判がいません。
見えた人が正直に伝え、どうしても分からなければそのポイントをやり直すと、気持ちよく続けられます。
ルールが分かると、ラリーがもっと長く続く
壁に当たったボールを「まだ打てる」と分かるだけで、追いかける足が自然に動くようになります。
サーブを下から落ち着いて入れられれば、最初の1点から試合に参加できます。
ルールの不安がなくなったら、あとはコートに立つだけです。
全国パデルコートガイドで、近くの体験から探してみてください。
