パデルのサーブは、テニスのように頭上から強く打ち下ろすものではありません。自分側のコートでボールをバウンドさせ、腰の高さ以下で対角線方向へ打ちます。
立つ場所や打点には決まりがありますが、最初から速いサーブを打つ必要はありません。初心者は、正しい位置から相手側のサービスボックスへ入れることを優先すれば大丈夫です。
この記事では、パデルのサーブの打ち方、立ち位置、バウンドさせる場所、フォルトになる条件を順番に解説します。試合全体の決まりを先に確認したい方は、パデルの基本ルールもあわせてご覧ください。
この記事で分かること
- パデルのサーブとテニスのサーブの違い
- サーブを打つ位置とボールを落とす場所
- 腰の高さ以下で打つというルール
- サーブが有効になる着地点
- フォルトとレットの違い
- 初心者が安定して入れるための打ち方
パデルのサーブは「バウンドさせて下から」が基本
パデルのサーブで最初に覚えたいのは、次の5点です。
- 各ゲームの最初は右側から打つ
- サービスラインの後ろに立つ
- 自分側の決められた範囲でボールをバウンドさせる
- 腰の高さ以下でボールを打つ
- ネットを越えて対角のサービスボックスへ入れる
サーブが入ってポイントが終わったら、次のポイントでは左側から打ちます。その後も右、左、右、左と、1ポイントごとにサーブ位置を交互に変えます。
試合開始時の「0-0」では右側からです。得点の呼び方やゲームの進み方が不安な方は、パデルの得点の数え方で確認できます。
1ゲームの間は、同じ選手が最後まで打ち続けます。サーブを打つ人が変わるのは1ポイントごとではなく、1ゲームが終わったときです。ゲームが終わると、サーブ権は相手ペアへ移り、次のゲームも必ず右側からです。
6-6のタイブレークではサーブの手順が変わる
セットカウントが6-6になった場合、通常は7ポイント先取(2ポイント差が必要)のタイブレークを行います。このときだけ、サーブの手順が通常のゲームと異なります。
- 本来サーブする予定だった選手が、右側から1回だけサーブを打ちます。
- そのあと相手ペアに交代し、左側から1本、右側から1本の計2本を打ちます。
- 以降も2本ごとに相手ペアへ交代しながら、左・右・左・右と交互に打ち続けます。
最初の1本だけ1回、その後は2本ずつという数え方が独特なので、体験や練習で6-6になったときは戸惑いやすい場面です。覚えておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。

パデルのサーブを打つ位置と手順
1.サービスラインの後ろに立つ
サーバーは、サービスラインより後ろに立ちます。左右の範囲は、中央のサービスラインを後方へ延長した線と、横の壁との間です。
サーブを打つときにサービスラインを踏んだり、ラインより前へ足を出したりするとフォルトになります。中央線の延長を越えて反対側から打つこともできません。
また、打つ瞬間は少なくとも片足を地面につけておく必要があります。助走をつけたり、ジャンプしながら打ったりせず、その場で落ち着いて打つと覚えておきましょう。
2.立っている側でボールをバウンドさせる
ボールは空中へ高くトスするのではなく、自分が立っている側のサービスエリア内で地面に落とします。右側から打つなら右側、左側から打つなら左側です。
バウンドさせる位置も、サービスラインの後方で、中央線の延長と横の壁の間に収めます。初心者は体の少し前にボールを落とすと、窮屈になりにくくなります。
3.腰の高さ以下で打つ
地面に落としたボールが弾んだら、腰の高さ以下で打ちます。ここが、頭上から打つテニスのサーブとの大きな違いです。
判断されるのは、ラケットがボールに当たる瞬間の高さです。ボールを高く弾ませ、腰より上の打点で打つとフォルトになります。
初心者は「低く打たなければ」と構えすぎる必要はありません。ボールを自然に落とし、弾んだところをコンパクトに前へ運ぶと、腰より低い位置で打ちやすくなります。
4.対角のサービスボックスへ入れる
右側から打つ場合は相手コートの右側、サーバーから見ると対角線上にあるサービスボックスを狙います。左側からは、反対側の対角のサービスボックスへ打ちます。
ボールはネットを越え、相手側の正しいサービスボックス内で最初にバウンドしなければなりません。サービスボックスを囲むライン上への着地は、基本的にインとして扱われます。
フォルトになるサーブを確認しよう
サーブが規則どおりに入らなかった場合は「フォルト」です。1回目がフォルトでも、通常は2回目のサーブを打てます。2回続けてフォルトになると、そのポイントは相手側に入ります。
| 状況 | 判定 |
|---|---|
| サービスラインを踏んで打った | フォルト |
| 決められた範囲外でボールをバウンドさせた | フォルト |
| 腰より高い位置でボールを打った | フォルト |
| 助走やジャンプを使って打った | フォルト |
| 打とうとしてボールに当たらなかった | フォルト |
| ネットを越えなかった | フォルト |
| 対角ではないサービスボックスへ入った | フォルト |
| 正しい枠内で弾む前に壁や金網へ当たった | フォルト |
| ネットを越える前に、自分側の壁や金網に当たった | フォルト |
| 正しい枠内で弾んだ後、2回目のバウンド前に金網へ当たった | フォルト |
初心者が特に間違えやすいのは、打点の高さと足元です。ボールの行方に集中するとラインを踏みやすいため、最初はサービスラインから少し余裕を取って立つと安心です。
サービスボックスに入った後はガラスと金網で判定が違う
パデルでは壁を使ってラリーできますが、サーブには独自の判定があります。
サーブが正しいサービスボックス内でバウンドした後、ガラスの壁に当たった場合は有効です。レシーバーは、ボールが2回バウンドする前に返球できます。
一方、正しいサービスボックス内でバウンドした後、2回目のバウンドより前に金網へ当たった場合、そのサーブはフォルトです。
- 枠内でバウンドしてからガラスに当たる:有効
- 枠内でバウンドしてから金網に当たる:フォルト
- バウンド前にガラスや金網へ直接当たる:フォルト
施設によって壁と金網の配置が異なって見えることがあります。初めてのコートでは、どこまでがガラスで、どこからが金網なのかを開始前に確認しておくと迷いにくくなります。
ガラスと金網が接する角にボールが当たった場合は、さらに別の判定になります。角に当たったあと、ボールがレシーバーの方向へ進んだときは有効です。角に当たって進行方向が変わらない、または戻ってしまった場合はフォルトとして扱われます。

ネットに触れたサーブはレットになることがある
サーブがネットに触れても、すべてがフォルトになるわけではありません。
ネットに触れた後、正しいサービスボックス内へ入り、2回目のバウンド前に金網へ当たらなければ「レット」となり、サーブをやり直します。レットでは、そのサーブを打つ権利は消費されません。
たとえば、1回目のサーブがレットなら、もう一度1回目のサーブとして打ち直します。2回目のサーブがレットになった場合も、2回目をやり直します。
ただし、ネットに触れた後に正しいサービスボックスへ入らなかった場合や、枠内で弾んだ後に金網へ当たった場合はフォルトです。
サーブを受ける側はワンバウンドを待つ
レシーバーは、サーブをノーバウンドで返すことができません。正しいサービスボックス内で一度バウンドするのを待ってから返球します。
バウンド後にボールがガラスへ当たった場合は、ガラスから返ってきたボールを打っても構いません。ただし、2回バウンドするとサーバー側の得点になります。
サーブを待つときは、サービスボックスの線より後ろに少し余裕を持って構えると対応しやすくなります。最初から壁際へ下がりすぎず、ボールの速さに合わせて位置を調整しましょう。
初心者がサーブを安定させる4つのコツ
サービスラインから少し離れて立つ
ラインぎりぎりに立つと、体重移動をしたときに踏み越えやすくなります。最初は足1足分ほど余裕を取り、フォルトを避けることを優先しましょう。
ボールを体の少し前に落とす
体の真横や後ろでバウンドさせると、腕だけで合わせる形になります。利き手側の少し前へ落とすと、前方へ自然にスイングできます。
速さよりもサービスボックス中央を狙う
ライン際を狙う必要はありません。初心者同士のゲームでは、速度を落としてサービスボックスの中央付近へ入れるほうが、ラリーを始めやすくなります。
大きく振り上げず、前へ運ぶ
強く打とうとしてラケットを大きく振ると、打点が高くなったり、ボールが飛びすぎたりします。ラケット面を安定させ、ボールを対角方向へ押し出すイメージで打ってみましょう。
初回体験では完璧に覚えていなくても大丈夫
初めてパデルを体験するときは、サーブの細かな判定をすべて暗記していなくても問題ありません。まずは「ラインの後ろでバウンドさせる」「腰の高さ以下で打つ」「対角へ入れる」の3点を覚えておけば、練習を始められます。
体験レッスンや初心者向けイベントでは、コーチや進行スタッフが立ち位置を案内してくれることが一般的です。施設独自の練習方法やイベント運営が採用される場合もあるため、当日の説明を優先してください。
まだ体験へ参加していない方は、パデル初回体験の流れを確認しておくと、予約から当日までのイメージをつかめます。施設を探す段階なら、全国パデルコートガイドも利用できます。
サーブは3つの基本から実践しよう
パデルのサーブで最初に意識したいのは、次の3つです。
- サービスラインの後ろでボールをバウンドさせる
- 腰の高さ以下で打つ
- ネットの向こう側にある対角のサービスボックスへ入れる
1回目がフォルトでも、通常はもう一度打てます。速さやコースにこだわらず、まずは正しい位置から安定して入れることを目標にしてみてください。
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